「葉巻(6)」(2025年12月16日)

葉巻用タバコ葉の生産が減少したのはスマトラだけでない。ジャワ島では東ジャワのジュ
ンブルに産するブスキナオーフスト種のタバコ葉も葉巻用として高い人気を誇っていた。
1986〜87年に年間生産量12万トンという大記録を作ったジュンブルも21世紀に
入って昔の栄光が褪せてきている。

2010年の天候がタバコ葉栽培に悪影響を及ぼしたため、タバコ葉栽培農家が作物を転
換したことから、2011年には世界の葉巻製造メーカーへの供給が大幅に減少した。

ジュンブルナオーフストタバコ葉農民協会会長によれば、7千人いたタバコ葉生産農民の
うち2千人が米・トウモロコシあるいはナオーフスト種でないタバコ葉を生産するように
なったそうだ。ナオーフスト種は栽培に手間とコストがかかるため、収獲に失敗すればロ
スが大きくなる。

これまで葉巻用一級品タバコ葉3万トンを供給するために4千Haの栽培面積を確保する努
力が続けられてきたにもかかわらず、今では2千3百Haを下回る面積に落ち込んでいる。
ジュンブルではタバコ葉輸出業者が自分で栽培する場合に最大5Haという規制が設けられ
ている。栽培農民の生産品をできるだけ多く買い上げて輸出させるのを目的にしたその規
制は農民の生産量が減ったために輸出業者の首を絞める結果になった。

生産農民はタバコ葉の熟成と燻し乾燥作業まで行う。燻し乾燥のために2x8メートルの
ロンカンと呼ばれる小屋を設けなければならない。ロンカンは竹組の小屋で屋根をサトウ
ヤシの葉で葺き、壁はサトウキビの葉が使われる。1Haの収穫分には8軒のロンカンが必
要になる。ロンカンは一度立てれば何年も使われるが、収穫期が来るたびに手入れが行わ
れて2〜3百万ルピアの出費が起きる。そして寿命が来れば建て直しということになる。

収穫したタバコ葉を売る前に、そんな大きい投資が発生するのである。もしも前年の収穫
があまり良い結果をもたらさなかったなら、今年はどうしようかという悩みにとらわれる
農民が出ないはずもあるまい。[ 続く ]