「人生相談・其四」(2026年02月13日) われわれは結婚相手に十分な敬意を抱き続けているだろうか?自分が選んだ伴侶は自分に とって、人生を分かち合い、共同生活を営み、自分の生き方の参考になる手引きをもたら してくれる存在であり続けているだろうか?それとも不愉快な気持ちやネガティブな感情 を投げ込むゴミ箱にしてしまっていないだろうか? そんな風な関係になってしまったというのに、伴侶が相変わらず自分をフォローしてくれ ているのなら、自分の伴侶は実に忍耐強い、素晴らしい人間であるということに気付かな ければならないだろう。われわれはそんな優れた人間に敬意を抱かなければならないはず だ。労りの心でそんな伴侶の内面を思いやるのが人間としてあるべき姿ではないかと思わ れる。 この夫婦の関係を分析するなら、妻の役割にオーバーファンクションがあり、夫はアンダ ーファンクションの立場に納まってしまっていると見ることができる。夫がイニシアティ ブを示さず、日々受動的で妻の決定と命令に服従する姿勢を執るがために、妻はますます 自分を統治者の立場に置く習慣にのめり込んでしまった。夫は元々おとなしい性格で、他 人と接触するよりも自分の内部に沈潜して内面のコンフリクトと取り組む方ことに快適さ を感じる人間であり、妻がますます強力にあれこれを取り仕切り、いろんなことに口を出 すようになると、夫はますます自分の中に閉じこもるようになった。その人間関係が長い 時間の中で妻に積極性を習慣づけ、夫は反対に消極性の淵にどんどん近寄って行く結果を もたらした。 家庭内を取り仕切る時に妻は常に自分が正しいと感じ、その決定者の役割をエンジョイす るようになり、家庭内での自分のあり方と夫との間の人間関係が習慣化していった。そし てとうとう、自分の理想に向かって努力していた夫がその虚しさに気付く日がやってきた。 自分はどうしてこんな人生を送っているのか?妻が自分のしたいように振舞っているのに 対比して自分はそんな生き方をしていないのは不公平ではないか。 ふたりの間でオープンに自分の気持ちを分かち合うことに失敗したこの夫婦は感情面での 触れあいが疎遠になり、互いにいたわり合いながらオーバーファンクションとアンダーフ ァンクションという役割関係を果たすことの根拠を見失って一体感が消滅して行った。そ もそも、そんな役割関係を作ってしまったことがその結果を生んだと言うこともできるに ちがいあるまい。 対人関係の中で形成された習慣は歳月の経過がその様式をますます強固にしていく。従属 姿勢で妻に応じる夫のケースでは、その反対の状況を別の場面で演出してバランスを回復 させる必要がある。それが難しければ、少なくとも自分のネガティブな感情を言葉にして 妻に伝えることが必要になる。 反対に、取り仕切らなければならない役割に就いた者は、自分が取り仕切っている人間よ りも自分の方が優れており、上位にある、という感覚に呑まれないように気を付けなけれ ばならない。?まれてしまうと、相手への敬意が失われてしまうのである。 回答者:サウィトリ・スパルディ・サダルユン [ 完 ]