「チェンテン(1)」(2026年02月26日) ライター: 文学者、シガラジャ在住、スナルヨノ・バスキ KS ソース: 2013年5月17日付けコンパス紙 "Centeng" タングランの鍋製造工場の中で奴隷制が行われているという疑惑でメディア界が沸騰する 事件が起きた。工場主がチェンテンを使って作業員を午前6時から夜10時まで就労させ ていたという話が社会の注目を集めた。satpamあるいはpetugas securityという言葉に座 を奪われて世間から姿を消していたチェンテンの語が突然世の中に舞い戻って来たのであ る。 国語センターKBBI第4版によればcentengの語は名詞でその語義は; ・penjaga rumah, pabrik, gudang, dan sebagainya pada waktu malam dan sebagainya ・mandor di tanah parikelir ・tukang pukul bayaran ・pengawas pada penjualan candu となっている。 サッパムやセクリティ担当者という語に取って代わられたチェンテンという言葉には昔か ら怖いニュアンスがしみ込んでいた。国家警察機構が教育と訓練を与えるサッパムやセク リティ担当者という言葉は怖い印象を帯びていない。実際にかれらは本物の警察機構から 綿密で厳しい訓練を与えられているのだ。その訓練は通常、国立警察学校で行われる。 訓練は日の出前の早朝ランニングから始まり、学校へ戻って朝食を摂ると終日、知識と実 地のかなりヘビーな教育と訓練を与えられる。それに比べれば、チェンテンになるための 訓練は黒装束に身を包んでプンチャッシラッの闘技を磨くことに尽きるだろう。 チェンテンの語にはブタウィ語ブタウィ文化の匂いが感じられる。たまたま事件の起こっ たタングラン地方もブタウィの土地と呼ぶことができる。チェンテンという語は東ジャワ であまり知られていないようにわたしには思える。東ジャワのひとびとがなじんでいるの はmandorという言葉だ。普段はmandor pabrikやmandor tebuなどの言葉が使われており、 centeng pabrikやcenteng tebuといった表現に触れることがない。チェンテンとマンドル の二語はほぼ似たような人間像を描いており、さまざまな人間やさまざまな仕事を監視し 監督するのが役目だ。 バリ語にはそのような意味を示すチェンテンという言葉がなく、その意味で使われている のはマンドルだ。動詞ngamandorinはマンドルとして働くという意味を示している。バリ 語の名詞centengは意味が異なっていて、bunyi teng seperti besi dipukulという語義に なっている。ブタウィ語のチェンテンとはまるで関係がない。 2002年にDewan Kesenian Blambanganが出版したハサン・アリ編纂のKamus Using - Indonesiaに採録されているcenthengの語義もバリ語と同じものになっている。 tiruan bunyi "teng", seperti pada kaleng yang dipukul dengan palu その語義はバリ語のcentengとたいへん似通っている。それもそのはずで、バリ語とウシ ン語は親戚関係にあるのだから。ウシン語centhengもmandorが示す意味を持っていない。 マンドルはmandhorと綴られ、mandhoranはマンドルの住む家あるいは複数のマンドルが住 むエリアを意味している。 中部ジャワでチェンテンの語に出会えるのかどうかについて、わたしは知らない。ブタウ ィのチェンテンについての解説はレミ・シラドの小説チャバウカンがその筆頭に置かれる だろう。昔のブタウィを舞台にしたその小説には倉庫の番人たちの振舞いがたくさん物語 られている。その小説は映画化されたから、チェンテンの振舞いがどんなものだったのか をもっと視覚的に把握することもできる。[ 続く ]