「賑わいが戻り始めたロンボッ島」(2018年09月03日)

ロンボッ島北部がM7.0の地震によって大打撃を被ったとき、南部にはたいした被害が
起こらなかった。ところがニュース報道が北部の惨状をロンボッ島の状況として取り扱っ
たことから、南部の観光業界はとんだとばっちりを食らう破目になった。

ホテルレストラン会中部ロンボッ県支部長によれば、あの翌日、既に入っていた予約は9
割がたキャンセルされたそうだ。各ホテルは、ここは安全で何も問題はありません、と口
を酸っぱくして説明したが、キャンセルの波を鎮めることはできなかった。


セロンブラナッ(Selong Belanak)ビーチに翌日やってきた観光客は10人ほどしかいなか
った。今、その人数は何倍にも増えている。セロンブラナッをはじめ、ロンボッ島南部海
岸地域にあるマウン(Mawun)、そしてクタ(Kuta)、スグル(Seger)、タンジュンアアン
(Tanjung Aan)などマンダリカ経済特別区に属す観光地には、国内外観光客がかつての賑
わいを現出させているように見える。

ドイツ人のパチャルとセロンブラナッへサーフィンを楽しみに来たヨグヤの女性は、「8
月18日ごろ来たときはほとんどひとがいなかったけど、今は普段の混雑に戻ってるわ。」
と語っている。確かに沖でサーフィンをしている人数、ビーチパラソルの下の安楽椅子が
ひとで埋まり、ワルンや食堂にグループが集まって談笑している様子は、寂れていた印象
が既に過去のものになったことを示しているかのようだ。

ビーチにいたスイス人の男女カップルは、バリまで一緒に来た家族や友人と別れてロンボ
ッ島へ渡った。「バリ島にいる外国人観光客にとって、地震後のロンボッ島の状況に関す
る情報があまりにも一面的だと感じます。わたしたちがこっちへ来るとき、家族や友人た
ちはみんなやめるように勧め、最後によくよく気を付けるようにと注意してくれました。
ロンボッ島の全体が北部のような被害を受けているように思っていたのです。ところが来
てみたら、南部はまったく平穏無事じゃありませんか。」

マンダリカ地区のクタビーチも同様だった。駐車場の番人の話では、地震後やってくるひ
とは激減し、多いときで一日に二輪車6台四輪車6台程度だったが、今は二輪車80台四
輪車150台になっているそうだ。


スンギギビーチやギリトラワガンなど北部観光地区にも、国内外観光客が戻り始めた。ト
ラワガンのホテルヴィラオンバッは20室の予約が入ったので、148室中の修復不要な
部屋を使うようにしているそうだ。既に申し合わせてある通り、料金は特別価格になって
いる。

スンギギのホテルクインシーヴィラズマネージャーは、「地震はもう来ない、などという
保証をすることはできないが、スンギギのホテル業界が既に営業を再開し、以前のような
サービスを特別価格で提供できる状況になっていることを、国内外の観光客に知っていた
だきたい。」と語っている。