「プレセタン(1)」(2018年09月12日) インドネシア語 pelesetan は語根 peleset に接尾辞の -an が付いたものだ。教育文化省 国語センター編纂のインドネシア語大辞典KBBIによれば、lesetという語根はなく、そ のために meleset という動詞も標準外になる。正しくは memeleset であり、インドネシ ア語パラダイムに従えば memeleset-pemeleset-pemelesetan-pelesetan となり、派生形 として kemelesetan, memelesetkan, terpeleset などが作られる。自動詞としての berpe- leset は存在しないので、berpeleset-pepeleset-pepelesetan というパラダイムはない。 インドネシア語のパラダイムについては、 http://indojoho.ciao.jp/2017/0823_2.htm をご参照ください。 KBBIでは、 memeleset を「的が外れる」 memelesetkan を「本物から外れたものを作る」 pemelesetan を「memelesetkan の行為・方法・プロセス」 pelesetan を「memelesetkan の結果」 と定義付けている。 ただし現実には、pelesetan よりも plesetan という二重子音の形でインターネット内で 綴られるのが圧倒的に多いが、オーセンティックな綴りはKBBIが用いている pele- setan の方だ。 プレセタンは日本語の語呂合わせ・駄洒落・地口・かけ言葉などに該当する。ちなみにそ れらの日本語の定義は次のようになっている。 語呂合わせ: ことわざや俗語などに類似の音を当てて意味の全く異なる成句に仕立てた り,言葉続きの音調によって二重に聞きとれるような成句を作るもの。 駄洒落: 同じ或いは非常に似通った音を持つ言葉をかけて遊ぶ一種の言葉遊び。 元来は洒落のつまらないものを駄洒落と言ったのだが、現代では一切合切が駄洒落という 言葉で表されているので、それに従う。 地口: 一つの語句にニつ以上の意味をもたせたり,同一または類似の音の語句を用いて 違った意味を表わしたりする言葉の遊び。 かけ言葉: 一つの言葉に同時に二つの意味をもたせる修辞法。 [ 続く ]