「プルタミニ(終)」(2018年09月13日) そして自治体にとっては住民の事業活動に対する監督と許認可のほうがもっと重要事項に なっている。できるかぎり多数の住民が事業活動を行ってくれたほうが、国法に従って経 済活動を抑圧するよりはるかに生産的なのである。ましてや、事業許認可は村や町レベル の届出から始まって、州庁に至る長いプロセス連鎖があり、石油燃料小売販売ともなれば 億の金がそのプロセスの中で監督機関にばら撒かれるのだから。 プルタミナは無認可石油燃料小売販売を根絶やしにしたいと考えてはいるものの、オート バイがへき地の隅々にまで浸透してしまった現在、近隣半径10キロ以内にガソリンスタ ンドが一軒もないような地域をどうするのかという問題のジレンマに陥ってしまっている。 プルタナ傘下の小規模ガソリンスタンドが続々とできれば肩の荷も軽くなるのだが、そん な規模の民間資本を募るのさえ困難なエリアも少なくないのだ。 外国人観光客がオートバイを乗り回しているバリ島で、瓶入りガソリン販売者や違法プル タミニ小売販売者を果たして粛清できるのかどうか、これはちょっとした疑問である。 公共交通機関の劣悪さをカバーするために全国で唯一、外国人観光客にオートバイの路上 走行を認めたバリ州で、ガソリン入手に困難を感じさせては元も子もなくなってしまうの ではあるまいか。 一方、中部スラウェシ州パリギモウトン県とトリトリ県では、州警察が無認可石油燃料販 売業者の摘発を開始した。州警察特殊犯罪捜査局商工業次局第一課は、街道脇にプルタミ ニポンプを置いてプレミウムガソリンとプルタライトガソリンを販売している9人を逮捕 して拘留した。「かれらは違法ビジネスを行って利益を得ている。」と第一課長はコメン トしている。 プルタミニ一カ所で一日に平均5百リッターが販売され、販売者は公定価格に1千5百〜 2千ルピアを上乗せして再販していた。この違法販売行為は2001年法律第22号石油 天然ガス法の第53条に該当しており、違反者には最長3年最大3百億ルピアの罰金が刑 事罰として与えられる。 地元消費者保護オブザーバーは、違法販売が盛んなのは一般ガソリンスタンドの違反行為 を取り締まることが不十分だからだ、とコメントしている。[ 完 ]