「頭字語とプレセタン(後)」(2018年09月20日) 法律法曹の世界でわれわれはUUDという頭字語になじんでいる。Undang-undang Da- sar(憲法)だ。KUHPはKitab Undang-undang Hukum Pidana(刑法典)の頭字語だ。 しかし法律問題にからめとられたひとびとの体験から作られたにちがいないプレセタンは こうなっている。Ujung-ujungnya Duit、そしてKasih Uang Habis Perkara。 ブガラン・サラギ工学士博士教授が農業大臣に任命されたとき、「あなたは本当にPDI −Pの幹部なのですか?」と記者に尋ねられ、かれはあっさり「ヤー。」と答えた。 Partai Demokrasi Indonesia-Perjuanganを意図した質問だったにも関わらず、教授は Professor Doktor Institut Pertanianのつもりで答えたのだ。事実、新大臣はIPBの教 授だったのだから。 IKIP(教員養成インスティテュート)が大学に格上げされることになったとき、全国 のIKIPは名称を国立大学(Universitas Negeri)と地名で構成することになった。こう してUNJ(Universitas Negeri Jakarta)やUNY(Universitas Negeri Yogyakarta)など が登場することになった。 ただ一カ所だけ、そのラインを踏襲しなかったところがある。IKIPバンドンだ。そこ はUNB(Universitas Negeri Bandung)とならずにUPI(Universitas Pendidikan Indo- nesia)となった。ところが、世間には相変わらず口さがない人間がいる。UPIなどUni- versitas Padahal IKIPじゃないか、というプレセタンを飛ばした。 もっとも、その前にもやり玉にあがった大学はいろいろある。UKI(Universitas Kris- ten Indonesia)はUniversitas Kah Iniと言われ、大学界の最高峰インドネシア大学(UI) でさえ、プレセタンの舌鋒から無事ではいられなかった。さすがにプレセタン作者もイ ンドネシア大学は英語でユーアイと呼んだ。つまり「You and I」だ。その意図は? ユーとアイ以外はものの数に入らないのだそうだ。[ 完 ]