「臭いは危険物?!」(2018年11月12日)

ブンクル発ジャカルタ行きスリウィジャヤ航空SJ091便の出発が一時間遅れた。航空
会社側の技術的な問題のせいでなく、純然たる乗客の抗議がその原因。

乗客は定刻通りに搭乗したのだが、機内はムッとする暑さに加えて、ドリアン臭に満ち満
ちていた。息苦しさを感じたひとは少なくなかったにちがいない。

多くのインドネシア人にとって、多少のドリアン臭は我慢できても、体質的に合わないひ
ともあれば嫌悪感をもよおすひとだっていないわけではない。しかし機内の状況はあまり
にもひどすぎた。乗客のひとりが、周囲の見ず知らずの他人に向かって言う。「機内にド
リアンを持ち込んだひとは誰かね?すぐ機外に出してくれないかなあ。」

しかし反応するひとはひとりもいない。みんなが首を横に振っている。他の乗客が乗務員
に尋ねる。「ねえ、この臭い、なんとかならないの?ドリアンの機内持ち込み禁止はちゃ
んとやってるんだろうねえ?」

乗務員の返事から、その臭いはエアカーゴの積荷が元凶であることが分かった。一部の乗
客が「降ろしてくれ。」と言い出した。乗務員に怒りをぶちまけるひともいる。そして乗
客たちは扉からぞろぞろと外へ出始めたのである。乗客たちは出発ターミナルの待合室に
戻って行った。

こうなれば出発は不可能だ。航空会社側はエアカーゴを機内から下ろす作業に取り掛かっ
た。なんと3トン分のエアカーゴスペースにドリアンが2トン超入っていたのである。

下ろされた大量のドリアンは別の航空会社に委託された。そのあとのできごとは何も聞こ
えて来ないから、ニュースのないのはよい便りだったにちがいない。航空会社シニアマネ
ージャーはこのできごとについて、ドリアンのエアカーゴは違反に該当しないとコメント
した。
「ドリアンは適切に梱包された上で航空貨物として運ばれるなら、違反にならない。弊社
は乗客と乗務員に危険を与えるような状態で航空機運航を行うことは絶対にありません。」

臭いが人間の安全に別条をもたらすものであるなら、適切な梱包ということの内容をもう
一度見直してもらいたいものである。