「政府機関の誠実度(後)」(2018年12月06日)

このサーベイでは各政府機関の内部者と外部者から得たアンケート回答も評価の一部に使
われている。国家警察の評点がたいへん低かったのは警察側がKPKのサーベイにまった
く協力しなかったためで、不十分なデータで出された評点であるため、警察側はその評価
内容の説明をKPKに求めている。

アンケート回答の内容を眺め渡したところでは、内部回答者の30%は収賄や謝礼収受が
本人の公務員履歴にマイナスをもたらすことを認識していた。また自分の所属機関で職員
採用に縁故関係が優先されたことを目にしていると20.1%が述べている。

一方、ブンクル市庁・アチェ州庁・バンテン州庁の外部者の中に、公共サービス手続きの
際に職員が金を要求したと述べたものがあった。それに対して、その業務に当たった職員
側は、その種のことがらを告発すれば自分の身分は保証されなくなるし、その行為を拒否
すれば組織内から疎外される、と説明している。

いくら腐敗行為であっても、組織が求めていることに従わなければ、自分の履歴には発展
性がなくなり、組織内からつまはじきされることになる、と内部回答者の22%が表明し
た。かれらは過去12か月間に、職場の腐敗行為内部告発者が疎外され、制裁を与えられ、
あるいは昇格を阻まれた事実について回答している。

今回のサーベイで調査対象になった政府機関の82%で、昇進昇格のために贈賄が行われ
ていることを見聞したと全内部回答者の4.1%が表明した。公務員等級のアップや手当
が厚い部門への配置などは、そのまま本人の所得に跳ね返ってくる。

インターネット経由のアンケート回答者のうちで17.6%が、各政府機関の許認可行政
手続きにチャロが関与していると答えた。

腐敗行為が組織内で問題にされたときでさえ、行為者が法規にもとづいて措置を与えられ
るケースは少なく、反対に告発者に懲罰が下されることが慣例化しているようだ。このよ
うな組織的な体質が行政機関の透明性と責任を向上させてクリーンな行政に移行すること
を内部から阻んでいるのである。

KPKはこのサーベイ内容を現状のマッピングと位置付け、各政府機関への指導ポイント
をより実際的なものにしていくことを狙っている。また総合目標のひとつとして、内部告
発者への保障と保護の体制を整備し、内部告発を活性化させていくことを方針のひとつに
据えた。[ 完 ]