「航空料金値下げ」(2019年01月16日)

国内線航空料金が高すぎるとの消費者からの苦情に運輸大臣は、空運業界はこれまで価格
競争のためにチケット料金が廉めの状況になっていた、と説明した。
「国内線の料金は政府が航路別に定めた上限下限料金の枠内に入っていなければならず、
昨今高すぎると苦情されている金額もその上限条件は守られている。空運業界が健全経営
のためにノーマルな料金レベルに移行させたことが激しい値上がりという印象をもたらし
ているのだ。業界の安売り競争がいつまでも継続するのも、もっと悪い結果を招くことに
なる。各航空会社は空運事業で要求されている最低スタンダードをクリヤーしなければな
らないのであり、そのコストを賄いきれなければ、別の問題が生じる。われわれみんなは、
航空会社の存立を保護してやらなければならない。」

一方、空運業界はその社会性に鑑みて、怨嗟の的になっていた料金レベルの引き下げを決
意した。国内線航空会社で編成されているインドネシア全国空運会社協会(INACA)
は、2019年1月11日から加盟航空会社が料金値下げを開始したことを発表した。

まず値下げが行われたのはジャカルタ〜デンパサル線、ジャカルタ〜ヨグヤカルタ線、ジ
ャカルタ〜スラバヤ線、バンドン〜デンパサル線で、その後もおいおい他の航路に広げら
れて行くことになる。値下げ幅は各社がそれぞれ自主的に行うわけだが、おおよそ20〜
60%の値下げ幅になるだろう、とのこと。

例年ハイシーズンを超えるとノーマル価格に復帰するのが習慣であり、2019年はいつ
もの1月15日より早く1月10日にハイシーズンを終えたことになる、と協会会長は述
べている。

「総販売座席数の1〜3割に該当する特定コード分だけを対象にするので、消費者は早め
にチケットを購入する必要がある。差し迫っての購入は高い。」というのがライオンエア
ー代表取締役の弁。


空運業界オブザーバーは、2018年は航空機燃料値上がりのために空運産業が世界的に
苦しい状況に陥っており、値上げをしなければ事業継続に障害が起こるだろう、とコメン
トしている。国内線と国際線の料金差についてかれは、航空機燃料価格が国によって異な
ることがその現象を生んでいると説明した。インドネシアとマレーシア間は2〜3割の価
格差になっている由。
「加えて国によっては、新航路を自国の空港に開いてきた航空会社にインセンティブを与
えるようなことも行われている。シンガポール政府は観光客誘致促進のために、シンガポ
ール空港に乗り入れて来る新航路を開いた航空会社に年間10万米ドルを与えている。」


消費者保護財団は、チケット料金だけが苦情の対象になっているのでないことを指摘した。
「国内線航空会社の収入確保方針の中で、LCCが委託バゲージの無料枠をゼロにしたこ
とも、消費者の苦情を招いている。国民消費者の手が届く空の旅を維持させるために、政
府は何らかの対応を取らなければならない。」消費者保護財団常任理事長はそう述べてい
る。