「昨今の映画館事情」(2019年01月21日) 映画館の料金が大きく値上がりしたのはもうずっと昔のことだ。観客動員数が激減したの だから、無理もあるまい。昔は庶民の娯楽が少なかったために、若者の週末デートはたい ていが映画館だったから、観客動員数はたいへんなものだった。週末デート対応に深夜映 画が上映され、映画を観ている間に居眠りして椅子から滑り落ちたひともいる。 逆に見るなら、映画館はデートコースの場所を提供するのがそのビジネスだったというこ とかもしれない。作品の出来不出来とは別の要素が存在していたわけだ。それを不純と言 うには当たらない。 「昨今の映画館とは何か?」という調査を2018年11月24〜25日にコンパス紙R &Dがジャボデタベッの17歳超住民に対して行った。481人から集めた回答は次のよ うな結果になった。 映画をまったく見ないひとは17.9%しかおらず、8割超が映画を観ている。観ないひ との60%が50歳超のひとびとで占められており、17〜38歳のミレニアル世代は5 %しかいない。 映画を観る8割超のひとびとの中で、毎日観るひとは10.4%、週二三回は20.0%、 毎週末は映画を観るというひとが18.5%、たまに観るひとは32.9%いた。いった いどこで観ているのか? 本来の機能である映画鑑賞を臨場感満点の映画館で、というひとは22.5%しかいない。 ミレニアル世代はその36%しかおらず、63%はもっと上の世代だった。 非映画館組は65%を占めた。その41%はテレビやケーブルテレビで観ている。年代別 には、39歳以上のベビーブーマーが39%、ミレニアル世代は33%で、かれらは自宅 にいながらにして映画を観れることをメリットにしていた。 次いで、インターネットで観るひとが24%を占めた。そのマジョリティはY世代(17 〜38歳)であり、費用がもっとも廉いことをメリットにしている。 たとえばネットプロバイダーが用意しているパッケージは廉いものでひと月5万ルピアで あり、その金額で何本も映画を楽しめるのだから、廉さで匹敵するものはなさそうだ。 業界データによれば、実は映画館は増加傾向にある。2012年の映画館数145カ所、 スクリーン数609枚、は2017年に263カ所1,412枚になっているのだ。それ はスクリーン当たり収容観客数の小型化、超ワイドスクリーンや音響効果のモダン化、寝 そべったり、飲食しながら鑑賞できるサロン化などの変化によって生じている現象のよう だ。