「トランスジャワ料金表(後)」(2019年01月29日)

また自動車専用道統制庁と各道路の区間オペレータは、クラスターの最遠区間を通る車両
に15%の料金割引を二カ月間に渡って与えることを表明している。

パリマナン〜スマラン間が第二クラスター
スマラン〜スラバヤ間が第三クラスター
ポロン〜プロボリンゴ間が第四クラスター
と区分されており、ジャカルタから現在最遠地のグラティはポロン〜プロボリンゴ間にあ
る。たとえば、ジャカルタからスラバヤまで走れば、第二と第三クラスターを通過するわ
けだから、パリマナン〜スマラン料金とスマラン〜スラバヤ料金がそれぞれ15%引きに
なるということだ。更にバニュワギへ行こうとしてグラティを通り過ぎれば、ポロン〜グ
ラティ間も割引される。

この割引は特に、遠距離区間を走る貨物運送トラックを自動車道に誘致したい腹づもりで
設定されたようだ。一般道における道路破損とノロノロ走行の元凶とされる大型トラック
が自動車専用道に入れば、得られる社会的メリットは少なくない。しかし運送業界者はそ
の目論見について、そう簡単には行かないだろう、と釘を刺している。


トラック事業者協会会長は、行政側の思惑とはまるで正反対の意見を述べた。
「トランスジャワ自動車道が開通したおかげで、自家用車やバスが一般道から自動車道へ
移るだろうから、トラック運送業者にとってはありがたい状況になるにちがいない。
一般道を埋めていた自家用車やバスが減ってくれれば、貨物運送トラックは道路を走りや
すくなり、走行時間も短縮されて経済効率が高まる。」

貨物運送トラックが自動車専用道を使わないことについて業界者は、料金が高すぎるのが
ネックだ、と述べている。3軸トラック運転者は一回の運行作業の請負にもらえる相場が
250万ルピア前後で、それで寝食と燃料を賄わなければならない。残った金がかれの収
入だ。

ジャカルタ〜スラバヤ間の自動車道通し料金が第一種車両で62万ルピア前後なら、トラ
ック料金は120万くらいになるはずであり、いくら15%の割引をつけてくれたところ
で、計算が合うはずがない、というのが業界者の意見だった。
「トラックにも第一種車両料金を適用してくれれば、自動車道を使う運転者も出るだろう
が・・・」とかれは述べている。

州間長距離バスであれば、一座席当たりの乗車料金を2万ルピアくらい値上げしても、全
線ハイウエー走行を謳い文句にすれば客はつくだろう。消費者は早く着くことの価値に金
を払うことを惜しまない。貨物はそこのポイントに違いがある。時間にセンシティブな貨
物はまだ可能性があっても、普通の貨物の荷主が時間の価値に高い金を払うかどうかの問
題が出現する。運転者が楽をしたいかどうかの話とは一味違っているのだ、というのが貨
物運送業界のコメントだった。[ 完 ]