「MRT鉄道駅へのフィーダーバス構想」(2019年03月08日)

ジャカルタMRTの稼働開始と同時にMRT駅と他のエリアを結ぶフィーダーバスを運行
させる準備がMRT運営会社の重要事項になっている。

MRT社は既にトランスジャカルタと協議して、鉄道南側ターミナルであるルバッブルス
(Lebak Bulus)駅および隣の駅であるファッマワティ(Fatmawati)とジャカルタ南部から南
タングラン市BSD一帯にかけてを結ぶフィーダーバスを運行させることに合意した。
ポンドッチャベ(Pondok Cabe) ⇔ ルバッブルス駅
チネレ(Cinere) ⇔ ルバッブルス駅
ジャティジャジャル(デポッ市)⇔ ルバッブルス駅
ジャティジャジャル(Jatijajar) ⇔ ファッマワテイ駅
BSD ⇔ ファッマワテイ駅
ビンタロ(Bintao) ⇔ ファッマワテイ駅

そのうちのBSDとビンタロからファッマワティ駅を往復するバスはトランスジャカルタ
のプレミアムバスであるロイヤルトランスが走ることになっている。
BSDではGiant前から、ビンタロはビンタロトレードセンターからロイヤルトランスバ
スは出発し、そのままジャカルタ外環状自動車道に入ってファッマワテイ駅に達する。ロ
イヤルトランスバスの運賃は2万〜2.5万ルピアが予定されているが、他の一般フィー
ダーバスの料金はひとり3千5百ルピアになる見込み。

ロイヤルトランスバスは他のトランスジャカルタバスと違い、利用者に特別の待遇を与え
て一般庶民より格上の気分を味わってもらうことをサービスの基本に置いており、言い方
は悪いかもしれないが客に極上の楽とわがままをさせることがその根幹に置かれているよ
うだ。日本社会にある「全員が中流で、その中にいる自分に安心感と満足が湧く」意識と
はうってかわった、インドネシア社会が持つ「他人を下に見て極上待遇を受けるエリート
の満足」という意識のあり方を、われわれはそこに見出すことができるにちがいない。

わたしはインドネシア文化が持つサービスと言うことがらに対する基本概念を、客を他者
一般から差別して極上待遇を与え、そこに生じる客の満足感から出て来る報酬で収入を得
る行為ではないかと見ており、国際スタンダードで言われている優れたサービスとは回転
軸にズレがあると昔から考えている。「客は王様だ」という格言が持つ含蓄がズレたまま、
われわれはインドネシア人と会話していないだろうか?

MRT南北ルート第一フェーズであるルバッブルス ⇔ HIロータリー間の駅でトランス
ジャカルタバス第一コリドーと連絡するところは四つあり、MRT社はトランスジャカル
タと共同で、周辺地区とその連絡ポイントを結ぶネットワークをどう作っていくかについ
て、検討を重ねている。