「現代パチャラン像(2)」(2019年03月14日)

住民管理家族計画国家庁が2018年に行ったサーベイでは、青少年の70%がパチャラ
ンを行っていた。しかし2017年のデモグラフィ保健サーベイでは、青少年女子の81
%、男子84%がパチャランしているという結果になっている。

昨今の青少年のパチャランは自由度を強めている、というのが世間一般の風評だ。だがパ
チャラン行為は昔から行われてきたことであり、昔の人間がしなかったことを最近の若者
が行い始めたということでは決してない。何が違うかと言えば、昔は世間に隠してひそか
に行われていたことを、昨今の若者は臆すことなく世の中に示して見せている、という点
にある。展示性という自由度の上昇がそれなのである。

一般的に青少年のパチャランのあり方は、愛情を基盤に置いた男女の交友関係という姿に
見える。かれらはたいてい、手をつないでどこかへ行ったり、一緒に何かの活動を行うと
いう形をとっている。キスしたりセックスしたりといった性的関係に入るケースは、増加
傾向にあるとはいえ、まだまだ少ないようだ。

パチャランの展示性が世の中一般に拡大してきたことで、宗教と伝統文化を固持する一部
の大人がそれに反発し、インドネシアゼロパチャラン運動を打ち上げた。若者たちのロマ
ンティシズムがそう簡単に抑え込めるはずもあるまいが。

青少年期というのは他人との関わり合いの中で自己のアイデンティティを探究する時期で
あり、その中での異性との人間関係構築についてパチャランは?たいへんに有用な教育訓
練の場になる。社会構成員として家庭を建設していく際にその教育訓練は大いに効果を発
揮する。現実にパチャランに対する態度は青少年本人の家庭にある価値観に左右される傾
向が強いものの、異性に対する愛情や対人接触の姿勢あるいは機微などを訓練する場とし
ての社会的機能は重要である、とビナヌサンタラ大学臨床心理学教官は述べている。

青少年の親たちはたいてい、子供のパチャランが社会規範を逸脱し、世間に顔向けできな
い不名誉に至る結果を怖れて、パチャランを抑圧する方向へ動く傾向を持っている。だが
上で述べた自己のアイデンティティ探究の時期に、親から手かせ足かせをはめられて大人
しく従っている若者が育てる自我は程度が知れていると言えるだろう。普通の若者は、親
が抑え込もうとすればするほど、反発して手が付けられなくなるのである。

そういうリスクを包含しながらもパチャランが持つ次世代の社会建設の核となる家庭を育
む訓練の場としての機能は確保されなければならない。そんな場で訓練を積ませる際に必
要な指導やアドバイスは、親が与えずして誰が与えられるだろうか。パチャランから自主
的に学び自己トレーニングのできる若者ならいざしらず、そうでない若者がひしめきあっ
ているのだから、親は子供の手綱を緩急自在に操って、子供を大人にしていかなければな
らないのだ、と臨床心理学教官は述べている。

「親がパチャラン絶対禁止を言い張るのなら、親は子供に対してパチャランなしに見合い
結婚した男女が家庭を築くための方法や要点を教育指導し、自らそれを実践して子供に見
せてやらなければならない。」教官はそう付け加えている。[ 続く ]