「オランウタンを手荷物で」(2019年03月26日)

2019年3月22日22時半ごろ、バリ島グラライ空港国際線出発ロビーでちょっとし
た騒ぎが起こった。韓国向けフライト搭乗客の手荷物検査係員がトランク内におかしなも
のがあるのを見つけたのだ。

「何が入っているのか?」と係員が尋ねると、そのロシア人乗客は「猿だ。」と答えた。
係員はその旅行カバンを開くのを躊躇した。アグレッシブなサルが飛び出して来て暴れた
ら、待合室は大騒ぎになる。関係者は別室に移動した。

いざ旅行カバンを開いてみると、その中には小さなかごにぐったりと横たわっているオラ
ンウタンの子供が入れられていた。雄の二歳ぐらいの子供だ。カバンの中にはスポイトと
麻酔の錠剤も入っていて、麻酔は2〜3時間しか効かないため、韓国の空港で乗り継ぎ待
ちの時にまた麻酔を飲ませることにしていた由。

カバンの中には他にトッケー2匹とトカゲ5匹が入っていた。トッケーとトカゲはオラン
ウタンのように保護動物ではないため、国外へ持ち出すこと自体は違法行為にならないも
のの、検疫証明書がないことを理由に差し押さえられた。

ロシア人はそのオランウタンをジャワの道端商人から3百米ドルで買ったと取調べに対し
て供述した。バリ州天然資源保護館管理課長は今回摘発された違法行為について、犯人は
有罪が立証されれば最高5年の入獄と最大1億5千万ルピアの罰金が科されるだろう、と
述べている。