「余暇時間の使い方」(2019年04月05日)

コンパス紙R&Dが17歳超の首都圏住民574人に対して2019年2月23〜24日
に余暇時間の使い方に関する質問をした。余暇はたいへん重要だと答えたひとが95.5
%を占めた。たいして重要じゃないひとは4.2%しかいなかった。

余暇時間はその別名を「自分の時間」と称しており、つまりは平常時の忙しさや与えられ
た仕事をこなしていくといった自己との乖離から自分を取り戻すことへの回帰がその重要
性のコアになっているにちがいない。

ところが、「現在得ている余暇時間はあなたにとって十分なものですか?」という質問に
対して十分だと答えたひとは77.0%いて、足りないひとは22.8%という少数派だ
った。つまり現状は理想的な状態であると見ているひとが大半を占めているということの
ようだ。少なくとも、現状肯定という心的傾向はインドネシア民族の一特徴であるという
わたしの仮説がここでも立証されたことになる。

ただしその内容を見ると、そこに性差が出現するのである。余暇時間は十分だと答えた男
性の比率は女性の5割増しを超えていた。男は職業の束縛から解放されれば、家に居よう
がどこに居ようが、それをフリータイムにできる傾向が女性よりはるかに高い。伝統文化
によって家庭を整える義務を負わされている女性は、勤めから解放されたと言っても、家
庭での雑用のしがらみがまとわりついてくるにちがいない。

今得ている余暇時間のメインはいつなのかという質問に対しては、56.8%が週末を挙
げ、毎夜が24.6%、毎朝が11.5%、決まっていないひとは4.4%だった。

余暇時間を何に使うかはひとによって千差万別だ。何かの活動に使うひともいれば、睡眠
不足の解消にあてるひともおり、特に何もしないでリラックスだけしているひともある。
家で休養するひとは38.5%で最多数、趣味を行うひとは17.2%。

かける時間との組み合わせで見るなら、趣味を行うひとは2〜3時間をそれにあてるのが
三人にひとり、自宅で2〜3時間のんびりするひとは28%いた。スポーツをするひとは
5割を超え、三人にひとりは映画を見に行くと答えたが、映画鑑賞は1〜2時間がほとん
どだった。

「誰と」という問題については、聞くまでもあるまい。ほぼ7割の回答者が、余暇の活動
は家族と一緒、と答えている。かつてわたしの若いころにインドネシア人が教えてくれた
話では、インドネシア人男性は週日会社でこき使われ、休日は家庭サービスにこき使われ
る、哀しい人間であるということだった。ただしそれが、一人前の男としての社会評価に
つながっているのである。

ほんの数年前の新聞記事で、毎週末にジャカルタからやってくる自動車の洪水で大渋滞が
出現するプンチャッ街道のありさまを報道している中に、止まっている時間のほうが長い
車列にいるひとりの運転者のセリフが書かれていた。渋滞が年中行事のプンチャッ街道の
週末に、何をすき好んで渋滞に加わろうとするのだろうか?「週末には出かけないと、夫
婦げんかになるんですよ。」