「スンバワのミルクキャラメル(前)」(2019年05月16日) インドネシア語で飴のことをプルメンpermenと言う。これはペパーミントキャンディが 20世紀初期にインドネシアに入って来たころ、オランダ人たちが呼んでいた元々の名前 を原住民が訛ってプルメンと呼ぶのが習慣化したことによるという語源説がある。 英語のpeppermint candyはオランダ語でpepermunt snoepとなる。プルの部分はオラン ダ語音に近く、メンの音は英語音に近いので、今一つ判断に迷うところだ。もし昔の時代 にメンが弱母音のムンで発音されていたのであれば、もろにオランダ語発音に倣ったよう に思われるのだが。 西ヌサトゥンガラ州最大の島、1万5千平米の面積に490万人が住んでいるスンバワ島 は、インドネシア有数の家畜の島である。2017年データでは、牛64.8万頭、水牛 9万頭が飼育されている。馬も水牛と同じくらいいるようだ。 そのために、それらの家畜を素材に使う家内工業がスンバワ島に発展している。その筆頭 はなんと言ってもミルク産業だろう。ちなみにインドネシアには野生馬ミルクsusu kuda liarという栄養飲料が有名で、それを飲むとスタミナ保持と健康維持に効果的な滋養強壮 アイテムだと信じられている。どうも飼いならされた馬とは違う野生の奔馬のエネルギッ シュな猛々しさが野生馬というネーミングでイメージ作られ、そんな効果があるように世 間一般に受け取られているようだが、一部の皮肉屋は「野生の雌馬が乳を搾られるときだ けおとなしく人間の言いなりになっているのか?」と図星を突いてくる。 そりゃその通りで、野生馬の雌だけ捕まえに行って、乳を搾ったらまた放して野生に戻し てやるようなことをしているわけがない。野生馬ミルクは飼い馬の乳搾りで作られている のだ。どうやら野生馬の意味が違っているようで、野生種の馬に近い子孫のことを言って いるようなのだが、今ひとつピンと来ない。これはイメージ商標の作戦勝ちではないだろ うか? スンバワでは野生馬ミルクも楽しめるし、伝統的ヨーグルト「プロポッ」を味わうことも できる。このヨーグルトの話は「インドネシアのヨーグルト」(2015年6月17・1 8日)で記事になっています。下のページをご参照ください。 http://indojoho.ciao.jp/150617_2.htm http://indojoho.ciao.jp/150618_2.htm