「ルバラン休暇はステイケーションで」(2019年06月10日)

ルバランホリデーは官庁企業がすべて休みになり、おまけに都市部住民の多くが田舎に帰
省するため、外国からは元より国内からも都市部にやってくるひとは激減し、結果的にホ
テル業界は客室稼働率がニ三割暴落するのがこれまでの年中行事だった。

2019年のルバランはジャボデタベッから1,490万人が地方部に帰省すると見られ
ている。これは住民人口の44%に相当するのだから、首都圏の混雑が半減するというこ
とになる。

そのため特にジャカルタではホテル業界が昔から、ホリデー期間中に割引や特別サービス
を加えて居残り組の利用を誘うことに努めていた。女中をはじめ、家庭の使用人が帰省す
れば、自宅で一日雑用に追われ、気心の知れた甘え放題言いたい放題の家族と終日顔を突
き合わせて過ごす落差から逃れたいと思うひとは必ずいるにちがいない。

何十年も続けられていたその方針が、2018年ごろからヒットするようになってきた、
とホテルレストラン会中央本部会長は語る。ルバランホリデーは一家をあげてホテルで過
ごすというのを、滞在型バケーションつまりステイケーションと言うらしい。子供たちが
遊びまくれるように児童プレイ施設や催しがあり、プールもあるホテルをステイケーショ
ン者たちは選んでいるとのことだ。


994室を擁するスナヤンのホテルムリアはルバランホリデー期間中、毎年客室稼働が低
下していたが、今年は80%前後が維持されているとのことだ。予約はホリデーが始まる
一週間前から盛んに入るようになった。ホテルムリアは二泊する客にもう一泊を無料サー
ビスしている。

107室あるタムリン通りのホテルアルトテルは、85%が稼働している。ルバラン当日
の一週間前から、どんどん客が増えてきたそうだ。

フェアモントホテルの宿泊客は、たくさんモールがあり、娯楽施設も豊富な地域性を考え
てそこを選んだと述べた。別の客は北ジャカルタ市の自宅からジャカルタ南部に泊まりに
来たそうで、クレジットカードのプロモが付いていたからそこを選択したとの談。


自宅でステイケーションしているひとびとは、行楽地を目指す。例年その筆頭にあがるの
がラグナン動物園。動物園管理者は最繁期の入園者数を一日15万人と予測している。6
月6〜16日に80万人が訪れるだろうという読みになっているそうだ。ホリデー前の最
後の土曜日は15時までに入園した人数が3千5百人。長期ホリデーシーズンを外れたら、
そんなものだ。15万人もやってくれば芋の子を洗うような状況になるのだが、袖すり合
って祭を楽しむのが民族性であるにちがいない。そのために人波の整理と警備の現場要員
として警察・行政警察・市運輸局・赤十字などから1千人が動物園内で任務に就く。

ジャカルタの長期休暇三大行楽地のもうひとつはアンチョルドリームパーク。毎年40万
人前後がルバラン休暇期間中に訪れている場所だ。

6月6〜8日はすさまじい人出が予想されることから、駐車場は園内から遠い場所に切り
離し、そこと園の入口を結んでシャトルバスを80台、24時間運行させた。駐車場は四
輪車1.4万台、二輪車1.7万台の収容能力を持っている。5〜9日には園内で電動二
輪車無料レンタルも行われている。