「不正選挙は本当なのか?(1)」(2019年06月24日)

2019年5月22日に総選挙コミッションが2019年総選挙の投票集計結果を公表し
た。それから数日後の5月27〜28日にコンパス紙R&Dは全国17大都市の17歳超
住民を対象にサーベイを行い、536人から回答を得た。

投票結果を受け入れるかどうかという質問に対して、結果は何であれ受け入れると答えた
ひとがマジョリティを占めた。
[ジョコウィ+アミン組支持者]
結果がどうあれ、受け入れる 96.4%
結果がどうあれ、拒否する   2.3%
ジョコウィが勝てば受け入れる 0.9%
プラボウォが勝てば受け入れる 0.4%
[プラボウォ+サンディ組支持者]
結果がどうあれ、受け入れる 53.5%
結果がどうあれ、拒否する  36.8%
ジョコウィが勝てば受け入れる 0.7%
プラボウォが勝てば受け入れる 3.5%

この結果は、選挙運営とその進行の中で、現行政府側が現職候補を勝たせるために種々の
不正を行ったと非難する声を国民の多くが信じていないことをうかがわせるものだ。少な
くとも選挙投票準備段階から投票の運営管理実施とその後の票集計プロセスの中で、有権
者名簿の操作、有権者に対する身代わりや暴力・圧力・威嚇などの不正行為、あるいは巨
大な得票数のごまかしが行われたという主張を信じる者の数が決してマジョリティを占め
ていないことを物語っているように思われる。総選挙コミッションと総選挙監督庁が現職
大統領の圧力に応じて、その政権維持をはかるために組織的計画的大規模に不正選挙を行
ったという非難に耳を傾ける者はマイノリティであるということにちがいない。

現実に、5月22日の投票集計結果発表を拒否する運動が呼びかけられたにも関わらず、
ジャカルタを除けば全国各地でさえ数市を除いてデモ行動は起こらず、ジャカルタですら
限られた場所での一般市民のデモと入れ違いに発生した特定地区における計画的な暴動騒
ぎがその結末で、死者と多数の逮捕者を出して終息した。

実態として浮かび上がってきているのは、今回の大統領選挙を国体改変の足掛かりにしよ
うとして策動している勢力がさざ波を立たせ始めている水面下の状況と、各候補をファナ
ティックに支持する一部国民があたかもひいきのサッカーチームを勝たせたいという闘争
本能を刺激されて角突き合わせているような水面上の状況という相関的な構図ではないか
と観測されている。

政治対立を目論んだホウクス(虚報)が曳きも切らずにソスメド上を飛び交い、ファナテ
ィックな一部国民がそれに煽られて対立的戦闘的な心理を募らせている現象は5年前の時
よりもはるかに強くまたマッシブなありさまを示している。現職大統領政権が不正腐敗の
諸悪の塊で国民の敵だと定義付けることを目指す対立勢力の意に沿った動きにそれがなっ
ていることから、その現象を解きほぐすために両大統領候補に和解のポーズを示すよう要
請する声が投票の終わった直後から言われ続けて来た。[ 続く ]