「暴騰した国内線航空料金(後)」(2019年07月02日)

しかしその戦争のおかげで、国内空運業界には発着時刻遅延と航空機事故が蔓延したので
ある。手ごまの航空機を最大限に使いまわし、低料金で集めた乗客を大量に移動させると
いう戦術は、目論んだようにはいかなかった。余裕のない手ごまの運行はひとつ狂えば玉
突き式に遅延が拡大し、機体の不調は運行取消を促して大量の乗客を不満の塊にさせた。

無理をして事故になれば、事業の存続問題になる。心構えはそうでも、現実に事故は起こ
った。

余裕のない航空会社は、次々に業界から消えて行った。1997年から2013年までの
間に消えて行った航空会社のリストは次のように長大なものだ。

1. Sempati Air
2. Adam Air
3. Bouraq Indonesia
4. Indonesia Airlines
5. Linus Airways
6. Batavia Air
7. Jatayu Air
8. Star Air
9. Efata Papua Air
10. Bali Air
11. Air Paradise Internusa
12. Asia Avia Airline
13. Bayu Indonesia
14. Dirgantara Air Service
15. Pasific Royale Airways
16. Kaltim Air
17. Megantara Air
18. Numan Avia Indoputra
19. Nusantara Buana Air
20. Riau Air
21. Seulawah NAD Air
22. Top Sky Internasional
23. Merpati Nusantara Airlines
24. Mandala Airlines
25. Cartenz Papua Airlines
26. Awair Indonesia
27. Kartika Air
28. Internusa Air
29. Asia Avia
30. Satrio Mataram Air
31. Alatief Alair
32. Nusantara International Service
33. Ekasari Lorena Airlines
34. Golden Air
35. Eagle Transport Services


航空会社の経費を大きく分けると、航空機燃料30〜31%、機体リース代金20〜24
%、人件費14〜16%、機体メンテと部品16〜20%となっている。政府は経費の中
の航空券料金に対する影響の大きい要素を軽減することを図って、プルタミナに航空機燃
料の価格引き下げと空港運営会社に航空機サービスのタリフ引き下げを行うよう要請する
一方、公定航空機運賃上限料金を更に12〜16%引き下げることを計画している。

空港の航空機サービスは着陸料・駐機料・搭乗ブリッジ使用料そしてチェックインと乗客
が負担する空港施設利用料がある。その全体で航空券料金の5%程度であるとのことだ。
国内線航空料金はいったい、どれほど下がってくれるのだろうか?[ 完 ]