「ISIS参加者を裁け(後)」(2019年07月18日) ダエシュ/ISISメンバーは、実態としては契約にもとづいて報酬を得ているにもかか わらず、傭兵に区分されないでカリフイデオロギーを共有する外国人戦闘員とされている。 国籍法の哲学と目的論から見るなら、自発的にダエシュ戦闘部隊に参加したインドネシア 国籍者は大統領の事前承認なく外国の軍隊に入ったので、法的には既に国籍を喪失してい ることになる。 ダエシュ/ISISに参加したインドネシア国籍者の父および/あるいは母の子供の国籍 はどうなるだろうか?国籍法第25条第1−2項には、父および/あるいは母がインドネ シア国籍を喪失しても、子供が即時国籍を失うわけでないことが述べられている。18歳 になるまでは現状が維持されるのだ。 政府が重視しなければならないのは、ダエシュ/ISISに参加した父や母のことでなく、 かれらの子供たちのことであり、18歳に達した時点で子供たちが主体的に国籍を選択で きるようにすることなのである。父や母については、国家警察に引き渡して刑法典やテロ リズム刑事犯罪撲滅法にもとづく調査や捜査をさせるべきだ。 <法的要求> 友好国あるいはその国家元首や代理者に対する叛乱のためにその国内で武装し、公式政府 に武力攻撃を行っているインドネシア国籍者の行為は、刑法典第139条aとbに示され ている条項への入り口として刑法典第4条と第5条(1)項サブ1にもとづく刑法違反に 処することができる。刑法典とは別に、テロリズム刑事犯罪撲滅に関する2018年法律 第5号をかれらに適用することもできる。 法律第5号では前文の中で次のような表明がなされている。 ・・・テロリズム刑事犯罪を指向する邪悪な合意を意図する国内および/あるいは国外の 組織への個人・集団の関与ならびにインドネシア国籍者の関与が社会・民族・国家の繁栄 と安全に脅威をもたらし、世界平和を脅かす可能性を持っていること・・・ 刑事犯罪としての内容は第12A条と第13A条に記されている。 第12A条:(1)インドネシア共和国統一国家の中もしくは外国で、テロリズム刑事犯 罪を行う意図を持って、国内および/あるいは国外もしくは外国にいる者とそれを計画し、 動かし、組織した者はだれであれ、最低3年最高12年の入獄刑が科される。 第13A条:テロリズム組織と関係を持ち、テロリズム刑事犯罪を起こしうる暴力行為や 暴力の威嚇を行わせるべく個人や集団を扇動することを目的にして、弁舌、姿勢や振舞い、 文書やアピアランスを故意に世の中に広めた者はだれであれ、最長5年の入獄刑が科され る。 ダエシュ/ISISに参加した経歴を持つインドネシア国籍者がインドネシアに帰国する 場合の法的アプローチ規範としては、成人者のみに対してひとりの例外もなく、上にあげ た法律にもとづいて刑事犯罪への抵触を問い、刑罰を執行しなければならない。[ 完 ]