「ジレンマをもたらす国民テロリスト(1)」(2019年07月19日)

ライター: モナシュ大学政治国際法学博士課程在学中、ノール・フダ・イスマイル
ソース: 2019年7月9日付けコンパス紙 "Dilema Penanganan Alumni NIIS"

アルバグダディのカリフプロジェクトは潰えた。しかし女性や子供を含む何百人ものイン
ドネシア国籍者がいまだに抑留者キャンプに暮らしている。

かれらがインドネシア共和国統一国家の膝に抱きかかえられる二度目のチャンスを与えら
れるのは妥当なことなのだろうか?それともわれわれはかれらがかの地で生涯を終えるこ
とを祈るべきなのだろうか?かれらはカリフの栄光の下で生命を投げうつことを理想にし
ていたのではなかったか?かれらダエシュ/ISIS同窓生問題は諸刃の剣のようなもの
だ。そのひとつの面には、かれらがテロリスト休眠セルという時限爆弾もどきであるとい
う姿が映っており、その視点はインドネシア社会の大勢が取っている姿勢でもある。世間
一般にとっては、この人生は苦労に満ちたものであるというのに何をすき好んで問題を増
やそうとするのか、という見解に帰する。

裏切者たちの世話を焼くことの他に、もっと重要な仕事がインドネシア共和国統一国家に
はないのか?そう言うかれらの心中には恐怖心が忍び込んでいるのだ。国がテロリズムイ
シューに関する公共政策を取り上げる際に、往々にして恐怖マネージメントが選択される
ことにこれは合致しているにちがいない。

<同窓生の履歴書>
この「恐怖」論議は、かれら同窓生の一部が身の毛のよだつ履歴を持っている事実で軽減
される。たとえば2002年のバリ爆弾テロ事件はアフガニスタン同窓生国際ネットワー
クによって計画され実行された。アフガニスタン同窓生たちはその後、かれらの軍事能力
をインドネシアとフィリピン南部でリクルートした新世代に移植した。

今日に至るも、かれら国際コンフリクト同窓生たちの役割は依然として存在している。2
000年代にモロイスラム解放戦線所有のフダイビヤキャンプで短期間の軍事訓練を受け
た者たちの一員、パラウィジャヤントが2019年6月29日に逮捕されたことが、その
見解が正しいことを物語っている。

西ジャワ州スバンのカリジャティで生まれたこの男が現在のジャマアイスラミア(JI)
のリーダーと思われる、と治安当局者は述べている。そのJIのメンバーたちが人道ミッ
ション(JIにとっての)のためにウムロや観光ビザでシリアに送り出されたことにネオ
JIリーダーが深く関わっているのだと治安当局者は非難しているのである。

このコンフリクト同窓生たちの役割がかれらのグループの中でたいへんユニークであるの
はなぜなのか?わたしが思うには、外国の虐げられたイスラム社会を擁護するジハードの
務めをかれらは成し遂げたと見られているだけでなく、グローバルレベルでのネットワー
キングに優れた能力を持ち、しかも深い宗教知識を身に着けていると考えられているのが
その理由ではあるまいか。[ 続く ]