「ジレンマをもたらす国民テロリスト(終)」(2019年07月24日) たとえば禁煙キャンペーンの中で、喫煙をやめることのできたかつてのニコチン中毒者が 善玉ウイルスに使われる。なぜなら、タバコを吸ったこともないビューティフルな内科専 門医の発言よりもかれらの言葉の方が、タバコになじみはじめた若者たちの耳によく入る からだ。であるがゆえにわたしの意見としては、ダエシュ/ISIS卒業生に対する社会 からの拒否の波の中で、かれらが何者であり、どのようなプロセスでダエシュ/ISIS に参加したのか、現地で何を行い、インドネシア共和国統一国家の膝に抱きかかえられる 二度目のチャンスが与えられた場合には何をするつもりでいるのかといった詳細な情報を 手にして政府がその間に立たなければならないと考える。そのようなことをしようがすま いが、ダエシュ/ISIS卒業生たちが治安当局に探知されることなく、自力でインドネ シアに帰って来ることは目に見えているのだから。 ダエシュ/ISISがラッカで滅んだあと、9人のインドネシア国籍者が自力で帰国して きた。治安当局がかれらを空港で逮捕できたのは幸運だった。そのうちのふたりは、ダエ シュの指示のもとに中部ジャワのダエシュシンパに軍事訓練を施すのを帰国の目的にして いたことが、取調べから判明した。 シリアの抑留者キャンプに元インドネシア国籍者が何人いるのか、はっきりした数字は分 からない。ドナルド・トランプ米国大統領はツイッターに最後通告を載せ、抑留されてい る外国人戦闘員の本国がかれらを放置しておくなら、かれらの抑留を解くと表明した。オ ーストラリアはダエシュ/ISIS同窓生の子供たちの一部をシリアから引き取ったし、 米国やヨーロッパの数カ国も同じようにしている。 強力な法手続きとシステマチックで構造的な社会復帰メカニズムを用意してコミュニティ ベースの社会復帰プログラムを組む以外に、国にとって選択の余地はないだろう。そして 劣らず重要なことは、烙印を捺すことをせず、かれらが生産的な社会構成員の一部となる ことを助けるために、ナフダトゥルウラマとムハマディヤ、家族および社会をそのプロセ スに積極的に関与させることである。ダエシュ/ISIS同窓生自身については自己をオ ープンにし、ダエシュ/ISISのサポーターがフェイスブック・ツイッター・インスタ グラム・テレグラム・ワッツアップ等々のオンライン世界で盛んに喧伝している不寛容ナ レーションに対抗する善玉ウイルスに変化するように努めることだ。[ 完 ]