「奇数偶数交通制限拡大」(2019年08月14日)

その日の日付が奇数か偶数かというのに合わせて、都内特定道路を通行できる四輪車両は
ナンバープレートが日付と同一の奇数もしくは偶数だけであるという交通制限システムは
現在、次の9道路で行われている。
Jl Medan Merdeka Barat
Jl MH Thamrin
Jl Jenderal Sudirman
Jl Jenderal S Parman - Jl Tomang RayaとJl KS Tubunの交差点まで
Jl Gatot Subroto
Jl MT Haryono
Jl HR Rasuna Said
Jl Panjaitan
Jl Jenderal A Yani

都庁運輸局はそれに加えて2019年9月9日から、次の16道路をその対象に加えるこ
とを決定した。
Jl Pintu Besar Selatan
Jl Gajah Mada
Jl Hayam Wuruk
Jl Majapahit
Jl Sisingamangaraja
Jl Panglima Polim
Jl Fatmawati - Jl Ketimun 1交差点〜Jl TB Simatupang交差点
Jl Suryopranoto
Jl Balikpapan
Jl Kyai Caringin
Jl Tomang Raya
Jl Pramuka
Jl Salemba Raya
Jl Kramat Raya
Jl Senen Raya
Jl Gunung Sahari
トライアルは9月8日まで行われ、9月9日から公式スタートとなる。


この奇数偶数交通制限システムは、国民の休日を除く毎週月曜〜金曜の午前6〜10時と
午後16〜21時に実施され、二輪自動車・電気自動車・身障者車両・消防車・黄色プレ
ート公共運送車両・燃料用石油ガス運搬車両・政府国軍国警業務車両・国家機関首長車両
・外交官車両が適用対象外になる。

2018年10〜12月に都庁運輸局が行ったこの交通制限システムトライアルで、四輪
自動車は33.3%から24.9%に減少したが、二輪車は56.7%から72.3%に
膨れ上がったことが観測されている。

制限システム適用道路が増やされることで、都民は自家用四輪車から自家用二輪車に移る
だけではないだろうか、というのが都内交通政策オブザーバー一般の懸念であり、自家用
四輪から公共運送機関に都民を誘導することで都内の交通状況緩和をはかるというポリシ
ーを成功させることに対する妥当性は疑わしいという批判は少なくない。

四輪車を持つ経済的余裕のない草の根庶民の足として自動二輪車に対する交通制限に歴代
都知事は及び腰であり、都心部タムリン〜スディルマン通りの二輪車通行制限が暫定的に
行われたこともあるが、継続していない。

法規で四輪車を抑え込んでも、それが二輪車を増やす方向に向かうのであれば、首都交通
政策としては成功と言えないだろう。草の根庶民の嫌がることを法規で抑え込まなければ
ジャカルタの交通事情は顕著な改善が訪れる日はなかなか来ないとなると、問題は為政者
のジレンマにおぶさるしかないのだろうが、現都知事の体質からは、あまりポジティブな
期待がかけにくいかもしれない。