「ルピア(終)」(2019年08月30日)

ORIの第一次発行で全金種が出そろったのは1946年だった。全金種は次のとおり。
1 Sen, 5 Sen, 10 Sen, 1/2 Rupiah, 1 Rupiah, 5 Rupiah, 10 Rupiah, 100 Rupiah

第二次発行はインドネシア共和国政府がジャカルタを逃れてヨグヤカルタに首都を移した
時期に当たり、1947年1月1日が発行日だった。金種は次ぎの通り。
5 Rupiah, 10 Rupiah, 25 Rupiah, 100 Rupiah

第三次発行は第二次を補完するためのもので、1947年から1950年まで散発的に行
われた。金種は次の通り。
1/2 Rupiah, 2 1/2 Rupiah, 25 Rupiah, 50 Rupiah, 100 Rupiah, 250 Rupiah

1948年8月23日に行われた第四次発行の内容は次の通り。
40 Rupiah, 75 Rupiah, 100 Rupiah, 400 Rupiah, 600 Rupiah

1949年にヨグヤカルタで行われた最後のORIシリーズ発行は、発行枚数がたいへん
少なかったことから、巷の隅々にまで行き渡らなかった。見たこともない国民がたくさん
いるそうで、希少価値のたいへん高いコレクターズアイテムになっている由。金種は次の
通り。
10 Sen, 1/2 Rupiah, 1 Rupiah, 10 Rupiah, 100 Rupiah


この新しいルピアの体系でも、民衆は個々の金額の呼称を使う習慣を維持した。数字+ル
ピアという表現に単純化されるようになるのは、もう少し歳月が経過してからである。
Rp2.50 Ringgit
Rp1.25 Kupang
Rp1.00 Rupiah
50 Sen  ( - )
25 Sen  Tali
10 Sen  Picis
8.33 Sen  Uang
5 Sen  Ketip, Kelip, Stuiver
2.5 Sen  Gobang, Benggol
1.5 Sen  Pincang
1 Sen  Sen
0.5 Sen  Peser
0.25 Sen  Cepeng, Hepeng

1949年8月23日から11月2日までオランダのハーグで開催された円卓会議で、オ
ランダはついにインドネシアの領土に対するインドネシア共和国の完全主権を承認した。
その日が来るまで、インドネシア共和国社会のために発行されてきたORIはその生涯を
閉じて、それ以後はインドネシア共和国公式通貨としてやっと「ルピア通貨」という名前
で呼ばれるようになったのである。[ 完 ]