「ヌサンタラの飲み物(2)」(2020年10月14日)

バンドレッアバの生産は月に大瓶7千本、小瓶1千本、粉末4万5千パック。スマトラや
カリマンタンからも注文が来るのだが、それに応じるための設備投資はまだまだできそう
にない、と経営者は述べている。

バンドレッそのものはスンダ地方の伝統飲料で、ショウガとパーム砂糖を原料にする温か
い飲み物であり、雨や夜など気温が低下したときに身体を内側から温めるための飲み物と
して好まれて来た。

だがひとびとは自由に好きなものをそこに混ぜて飲む。レモングラス、コショウ、パンダ
ンの葉、生卵、牛乳あるいは練乳など、合うものなら何でもかまわない。

スンダ地方にはこれとよく似たバジグルbajigurという飲み物もある。バジグルの基本素
材はパームシュガーとココナツミルクであり、ショウガは味付け素材として使われている
からショウガのウエイトが異なっている。

バンドレッアバは瓶詰めで生産され、バンドンのカフェやレストランからホテルにまで浸
透している。もちろんジャカルタでも店によって販売しているところがある。たとえ瓶詰
めでも、身体を温めるには温かいものを飲むのが一番だから、体調に応じて選択すればよ
いだろう。


ちょっと古いが、コンパス紙R&Dが2012年4月に743人を対象にして行った統計
調査の結果がある。インドネシア人は伝統飲料に関しても楽観的なようだ。

質問1.インドネシアの伝統飲料について知っているか?
回答1.知っている 71.5%、知らない28.5%

質問2.過去一か月間に伝統飲料を飲んだか?
回答2.
頻繁に飲んだ 17.9%
ときどき飲んだ 29.1%
飲んだことがない 29.9%

質問3.国内で伝統飲料需要は拡大すると確信するか?
回答3.
確信する 63.7%
確信しない 10.0%
(不明・無回答は省略)
[ 続く ]