「ジャワ島の料理(68)」(2022年02月15日)

コンパス紙R&Dが2013年6月26〜28日にジャボデタベッ住民627人から集め
たアンケート調査結果によれば、グレータージャカルタ住民が好むブタウィ料理は次の通
りだった。それらは依然として健在なブタウィ料理なのである。

nasi uduk    23.3%
soto betawi  20.4%
kerak telor  13.7%
gado-gado     9.9%
ketupat sayur 8.5%
その他       20.5%
その他に区分された料理は20種類あった。


ナシウドゥッはココナツミルクを混ぜて炊いた脂飯のことだ。udukはジャワ語で脂を意味
している。面白いことに、ジャワ人は脂飯をsega liwetと呼んで、スゴウドゥッと呼ばな
い。liwetはジャワ語もスンダ語も炊くことを意味していて、脂の意味は含んでいないの
である。しかし昔のジャワ人は脂飯をsega udokと呼んでいたそうで、それをムラユ人が
吸収してnasi udokとなり、ムラユ語系のブタウィ語にnasi udukとして定着したのかもし
れない。

ナシウドゥッと呼ばれる脂飯はブタウィ料理なのである。インドネシアの12大都市住民
706人に対してコンパス紙R&Dが2013年に行った調査では、ナシウドゥッを食べ
たことのあるひとが9割を超えた。その9割を超えるひとたちが口にしたことのあるブタ
ウィ料理はさまざまだった。ketupat sayur, sayur lodeh, semur daging, kerak telur, 
perkedel versmoor, soto mi等々、いろいろな名称の料理が並んだ。

コンパス紙のレシピ紹介によれば、ナシウドゥッの作り方は下の通りだ。
[材料]
米 1リッター
ココナツミルク ヤシの実半分
シナモン 親指大
クローブ 5個
ナツメグの種 1個
サラム葉 3枚
スレー 3本
コブミカン葉 2枚
[作り方]
材料全部を鍋に入れて煮る。ココナツミルクは材料の上指一本分までかぶさる量にする。
米が半煮えになったら蒸して、完全に炊き上げる。皿の中央に飯を置き、バワンゴレンを
振りかけ、おかずとンピンとピーナツサンバルを飯の周囲に並べて供する。

ブタウィ料理としてのナシウドゥッは二種類あって、ココナツミルクだけでコメを炊く方
法と、上のようにスパイスを加えるものがあり、後者はタナアバンスタイルなのだそうだ
が、今では後者の方が一般化しているようだ。


ブタウィ特産の飯は他にもnasi ulamやnasi kebuliがある。ナシウラムは元々がムラユ料
理だったので、ブタウィ以外にもスマトラやバリやマレーシアの各地にさまざまなバリエ
ーションがある。やはりスパイスを加えて炊かれる飯であり、スパイスの中にpegaganあ
るいはバジルが使われるのが特徴的だ。プガガンは薬草の一種で、日本語はツボクサと言
うそうだ。

ブタウィ料理としてのナシウラムは、北ジャカルタや中央ジャカルタで作られている汁物
と、南ジャカルタで一般的な汁無しがある。いずれにせよ、このナシウラムは飯の上に砕
いたピーナツ、炒ったヤシの果肉フレークなどを散らせるのが標準になっている。おかず
はデンデン・卵焼き・プルクデル・タフゴレン・テンペ・クルプッなどが添えられる。
[ 続く ]