「ジャワ島の料理(71)」(2022年02月18日)

2013年のコンパス紙には、こんなレシピが書かれている。
材料
未熟パパヤ1個 身を粗く削ぐ
長豆 1/4キロ 1センチ長に切る
テンペ 1本 1センチの角切りにする
プテ 2房 各半割
ヤシ果肉半個分から作ったココナツミルク 濃いものと薄いもの
スレー 1本
サラム葉 5枚
ナンキョウ 7センチ 叩き潰す
ヤシ砂糖 1切れ
塩 適量

すり潰しブンブ
赤チャべ 150グラム
赤バワン 10個
ニンニク 3個
ククイ 10個
干しエビ 10〜15個 

作り方
鍋ですり潰しブンブを油で炒めてからサラム葉・スレー・ナンキョウ・ヤシ砂糖を加える。
そこに薄いココナツミルクを注ぐ。沸騰したら野菜類を全部入れる。野菜が十分煮えてド
ロっとなったら、濃いココナツミルクを入れる。クトゥパッ・バワンゴレン・紅色クルプ
ッと野菜汁を供する。


ブタウィ人はありあわせの素材で簡単にこの家庭料理を作る。クトゥパッサユルは朝昼晩
のどの食事にも合うし、食事の合間の間食にも悪くない。食事の場合はこれと一緒に肉の
スムル・アヤムゴレン・バンデン魚のピンダン・タフ・卵などのおかずが用意される。通
常、飲み物は茶だけで、甘くするかしないか、熱いか冷たいかというバリエーションにな
る。

ブタウィ風クトゥパッサユルは華人文化の影響を受けている。その証明として、ココナツ
ミルクを入れる前にブンブや野菜を一度炒めておくこと、ハヤトウリを薄くそいでから、
塩もみをして柔らかくする方法、あるいはココナツミルクを搾るときにヤシの果肉をおろ
してから水を加えることなどに表れていることを指摘する説がある。


ブタウィのクトゥパッサユルは中華風だという証明を、われわれはグロドッのプチナンで
見出すことができる。グロドッパンチョランのグロリアショッピングセンタービル周辺に
ある華人ワルンでクトゥパッサユルを注文すれば、クトゥパッにハヤトウリとサヤインゲ
ンの入ったサユルロデの汁をかけ、別皿にニワトリのカリまたはオポル、揚げ卵と豆腐が
添えられて出て来る。サンバルゴレンは、他のブタウィワルンがトウガラシと赤バワンを
すり潰してトマトを加えてから炒めるのと違い、プチナンではトウガラシと小エビを先に
茹でてからすり潰しの作業にかかる。

実はパンチョランのクトゥパッサユルはジャワで食されているロントンチャップゴメをロ
ントンからクトゥパッに替えただけだという意見もあるのだ。チャップゴメというのは十
五冥の福建語発音で、中国正月の十五日目の夜に催される正月祝祭の締めくくりを指して
いる。インドネシアの食堂の中にはこのlongtong capgomehを定番メニューに入れている
店もあって、一年中それを食べることもできる。[ 続く ]