「ナシチャンプル(3)」(2022年04月01日)

[Nasi Megono]
プカロガンの飯。すりおろしたヤシの果肉・トウガラシ・トーチジンジャー・サラム葉と
若いナンカの実の細切れを混ぜ、赤バワン・ニンニク・ククイ・ナンキョウ・バンウコン
・コブミカン葉・トラシ・粒コショウ・コリアンダー・塩を混ぜて練ったブンブと合わせ
て蒸したものがムゴノだ。
皿に白飯と揚げ卵や塩魚、そしてムゴノを並べて食べる。スラマタンのときに振舞われる
ことが多い。

[Nasi Gudeg]
ジョグジャ料理の代表選手である。グドゥッは若いナンカの実をチークの葉やスパイス類
を加えたココナツミルクとヤシ砂糖で何時間も煮込んだものであり、白飯にグドゥッをか
けて食べる料理は本当ならナシグドゥッと呼ばれるべきだが、ナシが省略されてこのメニ
ュー自体がグドゥッと呼ばれている。
ひとつの皿の上で、ブンブを加えた濃いココナツミルクのアレッをかけた白飯に、グドゥ
ッ、アヤムカンプン、鶏卵またはアヒルの卵、テンペまたはタフバチュム、サンバルゴレ
ンクレチェッが添えられるというのがナシグドゥッの標準盛り付けスタイルだ。
ヨグヤカルタの名物料理であるグドゥッをナシチャンブルと呼ぶひとはいないが、そう呼
んでも決して間違いにはならないだろう。

[Nasi Golong]
中部ジャワ州グロボガンのスコレジョ村で行われている伝統的祝祭料理。ラジャブ月〜ル
ワ月の毎週木曜の夕方に、住民はモスクやムソラの表に集まり、ナシゴロンを持参して会
食する。7週間それが続けられ、最後に墓参りが行われてその行事が終了する。
だから飯球はその会食に出る家族の人数分が用意されることになる。おかずは自宅の味が
運ばれてくるという寸法だ。
昔はマタラム王宮でもナシゴロンが王宮の祝祭に用いられたので、ソロとヨグヤの王宮料
理のメニューのひとつに入っている。

[Nasi Pecel]
中部ジャワと東ジャワの州境一帯に生まれた、ピーナツソースの特徴的なナシチャンプル。
白飯の周りに種々の茹でた野菜とギンネムやキュウリを置いて上からサンバルカチャンを
かけたものがナシプチュルだ。
野菜はその時期その場所で容易に得られるものが使われ、追加のおかずとしてテンペ・タ
フ・アヤムなどを揚げたものが用意される。

[Nasi Krawu]
東ジャワ州グルシッGresikの産。白飯におかずは牛肉をむしったもの、牛肉スムル、牛の
内臓、サンバルプティス、スルンデン。添えられるサンバルトラシは激辛で、辣味猛者の
挑戦を待ち構えている。
グルシッ地元識者の談によれば、ナシクラウはマドゥラ人が持って来たものだそうだ。最
初はマドゥラ人がグルシッで店開きした。好評を得たことでグルシッの地方料理と認識さ
れ、今では市内のほとんどのレストランがメニューの中に入れている。

[Nasi Madura]
マドゥラ料理の特徴濃いおかずである牛肉やスマを辛く料理したものやプティスかけ卵・
スルンデン・クリンクンタン・未熟マンゴサンバルなどを白飯に合わせる。[ 続く ]