「イ_ア人が空を飛ぶ(終)」(2023年02月06日)

飛行機と呼ばれるものが世界で初めて空を飛んだのが1903年だった。その時代にオラ
ンダ東インドと呼ばれていたヌサンタラでオランダ人もすぐそれに倣った。オランダ人技
術者オンネンが1904年にグライダーを作ってヌサンタラの空を飛んだのだ。空飛ぶ人
間がはじめて出現したのは西ジャワ州スカブミの空だった。それからほんの数年のうちに、
ヌサンタラのあちこちの都市にグライダー飛行クラブが誕生した。

オランダ東インド政庁が行政機構内に航空技術部を設けたのは1923年のことで、国策
としての航空機研究開発がスタートした。この部門はバンドンのスカミスキン飛行場の近
くに工房を置いたが、後にアンディル地区に飛行場が移されたときに移転した。

オランダ人が東インドで制作した飛行機の中には、長駆アムステルダムまで飛行したもの
もある。ローレンス・ワルラーフェンがバンドンで設計・製作した四人乗りのW−2は1
935年9月27日にスキポール空港に到着して熱烈な歓迎を受けた。

オランダ時代のヌサンタラの航空史は拙著「ジャカルタ国際空港史」がご参照いただけま
す。 《 http://indojoho.ciao.jp/koreg/libdrajkt.html 》


【インドネシア共和国航空機産業編年史】
1953年 実験課が編成される
1954年 シクンバン完成
1958年 クナンとブララン完成
1960年 航空産業準備機関に昇格
1963年 グラティッの生産開始
1966年 ヌルタニオ航空産業機関に改名
1976年 ヌルタニオ航空機産業株式会社が発足
1976年 ドイツMBB社のヘリNBO-105をライセンス生産開始
1976年 スペインCASAのライセンス下でNC-212生産開始
1979年 スペインCASAと合弁でエアテックインターナショナル発足
1980年 共同開発したCN-235の生産開始
1985年 ヌサンタラ航空機産業株式会社に社名変更
1984年 米国ベルヘリコプターテクストロンのBell412をライセンス生産
1989年 近距離コミュータ旅客機N-250試作機をパリエアショーでお披露目
1999年 ヌサンタラ航空機産業株式会社解散
2000年 ディルガンタラインドネシア株式会社発足
2003年 エアバス、ユーロコプター、自社用の部品生産開始
2004年 19人乗りターボプロップN-219設計開始、テスト飛行は2017年
2010年 ユーロコプターEC-725Cougarのボディと尾部を生産
2011年 Bell412EPのディストリビューションセンターになる
2011年 韓国とジェット戦闘機KFX/IFXの共同開発に着手
2012年 CN-295, CN-235, CN-212iの改良型開発開始
[ 完 ]