「クリピッとクルプッ（２）」（２０２３年０８月２５日） 作り方の面から見るなら、クルプッはスターチを含有する粉で作ったドウに種々の素材が 原形を残さないような形態で練り込まれるから、ドウの成形はかなり自由に行える。それ に対して、クリピッは素材の薄片をそのまま揚げたり薄くドウを付けて揚げる製法になる ため、製品を素材の形からあまりかけ離れたものにするのが難かしい。 結局、製品になったクリピッは素材の味・香り・テクスチャ・見かけなどがそのまま感じ られるものになり、クルプッのような自由度を持つことがない。 クルプッの種類は形態面から大別すると、スマトラ島南部で一般的なkerupuk kemplangや 土産物店によく置かれているkerupuk udangのように、円筒状に作ったドウのかたまりを 薄く切った形と、kerupuk miのようにドウを成形したものの二種類に分けられる。 加工面から見るなら、油で揚げたもの、火で焙ったもの、砂などの媒体を使って煎ったも のに区分される。 ドウに練り込まれるもので分ける場合は、植物性と動物性という区別が可能だろう。また 産地を謳っているものもあって、kerupuk Palembang, kerupuk Tasikmalaya, kerupuk Surabaya, kerupuk Sidoardjoなど地名で区別されるものもある。 ひと言でクルプッと言っているがその種類は豊富で多岐に渡っていて、われわれの耳目に よく触れるのはきっとこのようなものだろう。 Kerupuk Bandung, Kerupuk Palembang, Kerupuk udang, Kerupuk Kemplang, Kerupuk ikan, Kerupuk bawang putih, Kerupuk bawang, Kerupuk kulit, Kerupuk ceker ayam, Kerupuk gendar, Kerupuk karak, Kerupuk aci, Kerupuk mlarat, Kerupuk sanjai, Rengginang, Rempeyek, Rambak, クリピッの種類は、素材にドウを塗ったものと塗らないものという分け方が普通だ。前者 にはkeripik bayam, keripik jamur, keripik tempeなどがあり、後者にはkeripik apel, keripik nangka, keripik wortelなどが挙げられる。 素材を植物性と動物性に区分することもできる。植物性のものの中にはkeripik singkong, keripik apel, keripik tempe, keripik oncom, keripik kangkungなどがあり、動物性の ものは動物の皮や内臓などが使われている。たとえばこんなものだ。kulit ikan, kulit sapi, kulit kelinci, kulit ayam, usus ayam, ceker ayam, paru sapi... バンドン市は豊富なバリエーションを持つキャッサバのクリピッが有名であり、またヨグ ヤカルタの名物クリピッはキノコのヒラタケを素材にしている。 加工面から見ると、マニュアル式フライ鍋と真空フライヤーという道具の違いを挙げるこ とができるだろう。マニュアル方式で作られるクリピッには次のようなものがある。 Keripik bayam, Keripik daun melinjo, Keripik belut, Keripik ceker ayam, Keripik gadung, Keripik ganggang, Keripik jagung, Keripik jamur, Keripik paru, Keripik kangkung, Keripik kakap, Keripik kentang, Keripik melinjo, Keripik oncom, Keripik pisang, Keripik singkong, Keripik sukun, Keripik tahu, Keripik talas, Keripik tempe 真空フライヤーで作られるものはこれだ。 Keripik apel, Keripik bawang, Keripik durian, Keripik mangga, Keripik melon, Keripik nangka, Keripik nanas, Keripik pepaya, Keripik salak, Keripik semangka, Keripik terong, Keripik wortel [ 続く ]
