「ヌサンタラのコーヒー(78)」(2024年02月16日)

ヌサンタラにおけるコピルアッの産地としてイ_ア語ウィキペディアは次のような地名を
挙げている。
アチェ特別州 ガヨ
北スマトラ州 シディカラン、 パダンラワス県ジャンジマリア村
南スマトラ州 パガララム、スムンドゥ
ランプン州  リワ、コタブミ
西ジャワ州
東ジャワ州
ブンクル州

一方2018年5月23日付コンパス紙には、
北スマトラ州
アチェ州
東ジャワ州
バリ州
南スラウェシ州
西ジャワ州
ランプン州
が列挙されており、ランプン産はロブスタが使われ、他の産地ではアラビカ種がルアッコ
ーヒーにされているという注が添えられている。だが、それらの土地以外ではルアッコー
ヒーができないと考えてはいけないのだ。これは商業的に有力な産地という意味で示され
ているものと理解するべきだろう。そのリストに挙がっていない土地でも、ルアッが棲ん
でいるかぎりコーヒー農園や畑ではコピルアッが普通に採取されている。

たとえばジャンビ州西タンジュンジャブン県ではアラビカやロブスタだけでなくリベリカ
種の実も野生のルアッが食べる。こうしてリベリカ種のコピルアッが生産されるので、希
少価値がファンを招き寄せるようになる。

中部ジャワ州ジュパラ県クリン郡でもコーヒー園でルアッの排泄物が採取され、ルアッコ
ーヒーになって出回り、郡内にあるいくつかのワルンコピで地元民がコピルアッをエンジ
ョイしている。たいていのワルンコピではスパイスを混ぜたものが消費者に人気があるた
め、そちらのほうがよく売れているという話だ。

中部ジャワ州スマランでコピルアッに特化した事業を興したファミリービジネスがあり、
全国主要都市にKopi Luwakという名のゴージャスなアウトレットをたくさんオープンして
いる。この会社は初期にスマラン県スリンシン郡スカトゥル村にある総面積5百Haのボジ
ャ農園で採れるルアッの排泄物を扱っていたという論説が2009年のコンパス紙に掲載
された。この農園では1千頭を超えるムサンルアッが毎夜天然の巣から出て来てコーヒー
食の大宴会を繰り広げるのだそうだ。町中では害獣とされて見つけ次第容赦なく滅びのタ
ーゲットにされているルアッも、その農園では昔から大切に扱われていたという話が語ら
れている。

この会社の粉末ルアッコーヒー生産量は月350キロで、その8割が韓国・台湾・オース
トラリアに輸出されており、今は香港とシンガポールへの進出の準備中という事業計画が
その記事の中で報告されていた。[ 続く ]