「デリのニャイ(終)」(2025年08月11日) さて、ロスミナはどうなったのか?弁護士の費用2千フローリンはチェティが立て替えて 払った。そうしてから、チェティはロスミナとの金銭貸借関係を清算する動きに出た。チ ェティはロスミナの債務表を作り、それをロスミナに示したのだ。 弁護士費用 F4000. メダン〜トゥビンティンギ 車代 F1600. 家賃5カ月分 F500. ニャイの借金(一回目) F5000. ニャイの借金(二回目) F14000. ニャイの借金(三回目) F5000. 合計 F30100. ロスミナは蒼白になった。 「この大ウソつきの詐欺師め。お前を警察に訴えてやる。」 「これは全部わしの金で、ニャイが必要なときに融通したものですよ。全部ニャイの受取 サインもしくは領収書がある。 わしが持っているニャイの金は2万5千フローリンと宝飾品の合計3万フローリンだけ。 ニャイはわしにあと百フローリンを返さなきゃならないが、ニャイが可哀そうだからその 金はニャイにあげる。」 「何ていうひどい詐欺師なの!あたしが賭場で最初に借りたのは5百ルピアじゃない。二 度目の借りは1400ルピアよ。三回目も5百ルピアで5千ルピアじゃなかった。」 「ニャイはその金を受け取って、サインしたんだ。」 「何てひどいやつ!金もくれないであたしをニャイにした上、あたしの金を全部巻き上げ るんだから・・・」 ロスミナは大声で泣きわめきながら床に転がって暴れた。 チェティはニタリと笑ってロスミナの家を後にした。 チェティはすぐにその家を別の人間に貸した。借りた人間がその家に入るためにロスミナ を追い出すに決まっている。自分の手であのニャイを家から追い出すのは可哀そうだ。チ ェティは金と色を楽しんだ今回の思い出をきっと忘れないだろう。 無一文になったロスミナは、恥を忍んでまたニッポンホテルの金魚鉢に戻るしか生きる道 がなかった。[ 完 ]