「バタッ式中華式子供教育(後)」(2025年08月13日) 多忙な職業生活の時間を割いて、ソフィアンはできるかぎり子供を学校へ送り迎えしてい る。そのときに車内で4人の子供たちとリラックスした会話ができる。それぞれの子供と 一対一の集中的な会話をするときは電話やSMSが使われる。 かれの妻は毎日家で子供たちに付き添っている。親子の親睦を強めるために、週末はいつ も一家で外食する。それも子供たちとリラックスして会話ができる機会になっている。 月曜から金曜まで、子供たちは家から外へ遊びに出るようなことをしない。華人プラナカ ン家庭のたいていがそうであるように、ソフィアンの子供たちも芸術・外国語・数学など のレッスンを受けている。 勉強時間は何時から何時までなどといったスケジュールの強制をソフィアンはしない。子 供たちは自分で時間をコントロールすることができるからだ。末っ子のダフィン9歳だけ まだ手がかかるものの、第一子のトレーシー18歳はイギリスに旅立った。ケンブリッジ 大学で数学を修めるための準備にとりかかるのだ。第二子のシンディは画才を持っており、 将来グラフィックデザインの世界で生きていくことを希望している。3番目のフェリクス が父親の後を継いで医者になろうとしている。 < 親の影響 > 子供の勤労意志と社会的成功は単一のファクターで決まるものではないとインドネシア大 学社会学者は語る。とは言うものの、子供のサクセスへの欲求・勤労意志・学習意欲は両 親が示す手本と家庭内の文化に負う所が大きいのも確かなことだ。親が何を言おうと、子 供は親の振舞いを見ている。親が朝から晩まで一心不乱に働いていれば、親が子供に何も 言わないでも子供は親のようにハードワークすることを真似るようになる。木の実は木か ら離れた場所に落ちることがないのである。 規律・勤労意欲・粘り強さなどは家庭の中で子供が身に付ける生活能力だ。学校はその補 足しかできない。だから親は家庭内での子供との関わり合い方に十分な注意を払わなけれ ばならない。 どんなに近い関係にあるように見えても、一緒に何かの共同作業や協力行動をすることが なく、またお互いがしっかりした原則を持っている関係になっていなければ、家族の結び つきという点に弱点が生じる。ネガティブな家族関係は社会問題を引き起こすことになり かねない。 たとえそうではあっても、家庭と学校が子供を正しく教育したとして、社会の持つ価値観 がインスタント性重視に陥っていけば、子供はその風潮を拒むことができない。目を瞠る ような豪華さやカッコよさが重視され、金持ちでありさえすればよく、その財産をどのよ うに手に入れたのかをだれも気にしない世の中になれば、子供はハードワークや刻苦勉励 に見向きもしなくなるだろう。自分の成績がどうであろうと、ハードルを通過できればそ れでいい。ミニマリスト精神の旺盛な子供たちが昨今増加している原因がそれなのだ。イ ンドネシア大学社会学者はそう指摘している。[ 完 ]