「JKT−BDGエクスプレス(5)」(2025年09月01日) 1995年にオルバ政府はジャカルタ〜バンドゥン間を2時間で走破する列車の運行を計 画し、スハルト大統領がその列車をArgo Gede Expressと命名した。アルゴグデ号はその 年7月31日にガンビル駅からバンドゥンに向かう処女運行を行った。しかし現実のダイ ヤ編成では2時間半の走行時間になり、大統領の希望は実現しなかった。 アルゴグデ号の出発と同じ日に、スラバヤに向かう急行列車アルゴブロモ号もスタートを 切った。アルゴブロモは10両の客車と発電車および設備車各1両を牽引する能力を持っ ているが、最初の段階では3両の客車が繋がれただけだった。それに対してアルゴグデは 4両の客車を引いた。1999年にアルゴグデの運行は一日2便に増やされた。 2010年になって国鉄はアルゴグデ号とパラヒヤガン号を合体させたアルゴパラヒヤガ ンの運行を開始し、パラヒヤガン号は歴史の中に保存されることになったのである。20 10年4月27日がアルゴパラヒヤガン号の初運行の日だった。アルゴパラヒヤガンはア ルゴグデのエグゼクティブクラス4両とパラヒヤガンのビジネスクラス3両を引いて運行 を開始している。 2023年10月2日、東ジャカルタ市のハリムとバンドゥン市内トゥガルアルを結ぶジ ャカルタ〜バンドゥン高速鉄道が運行を開始した。時速350キロという現代科学技術の 粋を集めた超高速鉄道が東南アジアで初めて、ジャカルタ〜バンドゥン間を走ったのであ る。インドネシア鉄道史におけるジャカルタ〜バンドゥン路線の足跡を思い起こすなら、 そこにわだかまっていたオブセッションの行き着く果てがこれだったと言えなくもなさそ うではあるまいか。 ジャティルフルダムに近いルートを13ヵ所のトンネルをくぐって走り抜けるこの路線は 全長142.3KMの独立した路線であり、専用列車がその間を往復するだけになっている。 Halim - Karawang - Padalarang - Tegalluarという、両ターミナル間には2駅しかない 行程がこの路線のすべてだ。全駅に停車する便は運行時間54分、カラワンに停まらない 便は47分で両ターミナル駅の間を走る。一日の運行回数は両ターミナルからそれぞれ3 1便が出発するとイ_ア語ウィキペディアに書かれている。 バンドゥン市内が目的地であればパダラランで降りて在来線に乗り換えるか、あるいは他 の運送モードを使うことになるだろう。目的地がバンドゥン市内東南部であればトゥガル アルまで行く方が便利かもしれない。 このルートは当初計画から大きく異なるものに変化し、工事日程も大幅に遅れた。当初に 立てられた計画によれば、ルートはHalim - Cikarang - Karawang - Walini - Kopo - Gedebageとなっていて、ワリニにニュータウンを設けるアイデアまで付随していた。ワリ ニ茶という銘柄にその名が使われている、あのワリニだ。しかし最終的にそのアイデアは 構想だけに終わったようだ。 カラワン駅も在来線のカラワン駅と10キロ超離れており、乗客が容易に乗り継げるよう な関係になっていない。高速鉄道路線は在来線よりずっとジャティルフルダム寄りのルー トに設けられていて走行距離が短くなっている。 このジャカルタ〜バンドゥン高速鉄道の名称が英語のオノマトペから採られたWhooshにな った。しかしインドネシア人はその綴りをインドネシア語読みしてウースやウオスと発音 している。英語風にウオッシュなどと発音したら、果たしてインドネシア人に通じるだろ うか?[ 続く ]