「インドネシア鉄道史(14)」(2025年10月24日) インドネシア国鉄は独立後もプリアンガー線の運行を続けていたが、2006年初期にボ ゴール〜バンドゥン間の運行がなされなくなった。ボゴール〜スカブミ区間56キロの間 には11のローカル駅が次のように並んでいる。 Bogor - Batutulis - Ciomas - Maseng - Cigombong - Cicurug - Cijambe - Parungkuda - Cibadak - Karangtengah - Pondokleunsir - Cisaat - Sukabumi この路線を利用する乗客のほとんどはジャカルタに通勤している勤め人か、もしくは果実 や野菜などをジャカルタへ運ぶ商人たちで、一日に2千人超がその路線を往復していた。 スカブミ駅が最大の乗降客数を誇り、チゴンボンやチチュルッがその次に多かった。 1960年代には3〜4両の客車を引いて一日6回の往復便があったが、だんだんと便数 が削減され、一日5回、そして3回、最後は2回になり、2006年についに列車運行が 停止された。 国鉄は2008年12月から2012年12月までビジネスクラス列車をこの区間で走ら せていたものの、エコノミー列車の要請が地元社会で強いことから、2013年11月に エコノミー列車の運行に切り替えた。 ボゴール〜スカブミ線が復活した2013年11月9日、国有事業担当国務大臣とインド ネシア国鉄代表取締役が新たに建設されたボゴールパレダン駅でパンラゴ号の出発を祝賀 した。ボゴールパレダン駅はこの日のために新たに国鉄が設けた駅であり、ボゴール駅か ら真南に2百メートルほど離れていて、ボゴール駅とスカイブリッジで結ばれている。ボ ゴール駅の混雑を高めないためと無賃乗車者が紛れ込めないようにという深慮がそこに働 いていたそうだ。 日々のダイヤはスカブミ駅発が5時0分、10時10分、15時20分の三便、ボゴール パレダン駅発が7時35分、12時45分、17時55分の三便となっていた。列車編成 は発電車を従えた電動機関車が、50座席でトイレとTV付のエグゼクティブクラス1両と 106座席でトイレ付のエコノミークラス3両をけん引する形になっている。全車冷房完 備だ。乗車券はエグゼクティブクラス3万5千ルピア、エコノミークラス1万5千ルピア になっていたが、初日のボゴール駅発3便の乗車券販売は全席が完売されたそうだ。 2006年に運行が止まってしまった昔のエコノミー列車は国が乗客に補助金を出してい たために乗車料金がひとり2千ルピアだった。2002年は1,200ルピアだったとい う話もある。その値段の大幅なアップは国が補助金をパンラゴ号に付けないことを決めた ためであり、この料金は国鉄側にゼロ利益しかもたらさないと国鉄代表取締役は述べた。 パンラゴ号にエグゼクティブクラスを付けたのは、国の補助金の条件が全車両エコノミー であることとなっているため、少しでも運行コストのリカバーを図るのが目的だったので あり、需要が高ければエグゼクティブクラス車両を増やすのにやぶさかでないとも語って いる。 ボゴール〜スカブミ路線が復活すれば、スカブミ〜チアンジュル区間37キロも復活され ないほうがおかしい。案の定、スカブミ〜チアンジュル線は2014年1月に復活し、列 車編成や発着時間がパンラゴ号に接続する形で運行が再開されている。この区間には4駅 がある。Cianjur - Cibeber - Lampegan - Cireungas - Gandasoli - Sukabumi チアンジュルにはパラカンムンチャン、グヌンカンチャナ、ハルジャサリ、グヌンロサ、 グヌンマニッなどの大きい茶葉農園があり、国内飲料品メーカーに納品されている。モロ ッコにも輸出されたそうだ。[ 続く ]